はじめに
イタリア語の「a」「da」「in」は、動詞 andare(行く)や essere(いる・ある)と一緒に使うとき、後ろに「どんな名詞(場所や人)がくるか」によって使い分けが決まる。
1. 前置詞 「a」 の使い方
主に「都市名」、「特定の身近な場所」、「動詞の原形(〜しに行く)」で。
都市名(町・村など)
- Vado a Milano. (ミラノに行きます)
- Sono a Tokyo. (東京にいます)
特定の決まった場所(慣用表現的なもの)
- Vado a casa. (家に帰ります・行きます)
- Sono a scuola. (学校にいます)
- Vado a letto. (ベッドに行きます=寝ます)
「〜しに行く / 〜しにここにいる」という動作**(a + 動詞の原形)
- Vado a mangiare. (食べに行きます)
冠詞とくっつく形(定前置詞)に注意 al teatro(劇場へ)、al mare(海へ)のように、後ろの名詞に定冠詞がつく場合は a + il = al のように変化します。
2. 前置詞 「in」 の使い方
主に「国名・大きな地域」や、「-ia で終わる場所」、「建物の中に入る・いるニュアンスが強い場所」で使う。 in の後ろの名詞には、基本的に定冠詞をつけずにそのまま置くことが多い。
国名・州・大きな島・地域
-
Vado in Italia. (イタリアに行きます)
-
Sono in Toscana. (トスカーナにいます)
「-ia」で終わるお店や場所
-
Vado in periferia. (郊外に行きます)
-
Sono in farmacia. (薬局にいます)
乗り物(〜に乗って移動する)
- Andare in treno / in macchina. (電車で / 車で行く)
その他、生活の中でよく使う場所
- Vado in centro. (中心街[ダウンタウン]に行きます)
- Sono in ufficio. (オフィスにいます)
- Vado in banca. (銀行に行きます)
3. 前置詞 「da」 の使い方
andare や essere と組み合わせる場合、da は圧倒的に「人(〜のところ)」を表すとき。
人のところへ行く、人のところにいる(da + 人の名前・代名詞・職業)
- Vado da Marco. (マルコのところに行きます)
- Sono da mia madre. (母のところにいます)
- Vado dal dottore. (医者のところに行きます = 病院に行きます ※
da + il = dal)
「〜の家・〜の店」を指すとき
- Stasera andiamo da Luca. (今夜、ルカの家に行こう)
4. パターンで見比べる
| 行き先・場所の種類 | 使う前置詞 | 具体例(Andare / Essere) |
|---|---|---|
| 都市名 | a | Vado a Roma. (ローマに行く) |
| 国名 | in | Vado in Giappone. (日本に行く) |
| 人のところ | da | Sono da Maria. (マリアの家にいる) |
| 家(自分の) | a | Vado a casa. (家に帰る) |
| オフィス・会社 | in | Sono in ufficio. (オフィスにいる) |
5. 🏛️ 「in biblioteca(図書館)」のイメージ
イタリア語の in は、もともと「〜の中に(すっぽり包まれている)」という空間の広がりや、中にこもるニュアンスがとても強い前置詞(らしい)。
図書館は「中に入る」ことが目的
建物そのものというよりは「本がたくさんある空間の中にこもる」という感覚から in biblioteca が定着しました。ちなみに、同じように中にこもって作業する「オフィス(in ufficio)」や「銀行(in banca)」も in を使う(らしい)。
6. 🖼️ 「al museo(美術館・博物館)」のイメージ
一方で、美術館や博物館は al(a + il)を使う。前置詞 a は、空間の広がりというよりは、「ある特定の地点・ポイント」を指差すニュアンスが強い(らしい)。
美術館は「イベントや目的地(スポット)」のイメージ
美術館に行くのって、普段の生活サイクル(こもって勉強する等)とは少し違って、「あの場所(スポット)で開催されている展示を見に行く」という、目的地を指し示す感覚に近いため、「劇場へ行く(al teatro)」や「映画に行く(al cinema)」、「海に行く(al mare)」と同じグループ。これらは日常の生活空間というよりは、「余暇を過ごすために、その特定のスポットへ向かう」という感覚なので、地点を表す a が使われる(らしい)。
7. 前置詞 「A」 + 定冠詞のつく場所
「特定のスポット(施設や自然など)」へ行く・いる場合によく使われる。
男性名詞(+ il / lo)の場所: a + il = al
- al museo (美術館へ・に)
- al cinema (映画館へ・に)
- al teatro (劇場へ・に)
- al ristorante (レストランへ・に)
- al bar (カフェ・バルへ・に)
- al mare (海へ・に)
- al parco (公園へ・に)
- al supermercato (スーパーへ・に)
女性名詞(+ la)の場所: a + la = alla
- alla stazione (駅へ・に)
- alla fermata (バス停へ・に)
- alla posta (郵便局へ・に)
母音で始まる名詞(+ l’)の場所: a + l' = all'
- all’aeroporto (空港へ・に)
- all’università (大学へ・に)
- all’hotel (ホテルへ・に)
8. 前置詞 「DA」 + 定冠詞のつく場所
andare や essere と使う場合の da は「人のところ」でしたね。そのため、後ろにくるのは「職業(〜さん)」や「人のグループ」になり、これらには基本的に定冠詞がつ区(らしい)。
男性名詞(+ il)の職種: da + il = dal
- dal dottore (医者のところへ=病院へ)
- dal dentista (歯医者のところへ)
- dal parrucchiere (美容師のところへ=美容院へ)
- dal panettiere (パン屋さんのところへ)
- dal benzinaio (ガソリンスタンドへ ※直訳はガソリンスタンドの人のところ)
女性名詞(+ la)の職種・人: da + la = dalla
- dalla psicologa (女性の心理カウンセラーのところへ)
- dalla nonna (おばあちゃんの家へ・ところへ)
- dalla zia (おばさんの家へ・ところへ)
母音で始まる職種(+ l’): da + l' = dall'
- dall’avvocato (弁護士のところへ)
- dall’ottico (眼鏡屋さんのところへ)
9. panetteria VS panettiere
例えば同じ「パン屋」でも、
- in panetteria (パン屋という「店舗・空間」に行くニュアンス)
- dal panettiere (パン職人という「人」のところに行くニュアンス)
という風に、どちらを使っても「パン屋に行く」という意味になる